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『 平和万葉集 巻四』 刊行記念のつどい

5月の刊行から半年を経た11月27日、東京一ツ橋の日本教育会館で「『平和万葉集巻四』刊行記念のつどい」を開催した。作品応募者を始め当日約百名が参加し盛会となった。
司会進行は城間百合子氏がつとめ、まず刊行委員会を代表して小石雅夫氏が報告を行なった。その中で作品募集に関わる二つの想定外があったことを述べた。一つは募集期間中に開催した「作品募集記念講演会」の失敗談。これは開催日が昨年の9月19日でありこの日未明の国会で「戦争法」強行採決成立するという事態が起こり、講演会へ参加予定の人たちが急きょ国会へと行動変更され、事実何人かがケータイ連絡が入ったといい、広い会場がガラガラで、講演者の木村雅子さん、水野昌雄さんには申し訳なかったけれど、今回の『平和万葉集』作品募集がこうした時期と重なった進行だったことを記憶に止めておきたい一つ。
もう一つの想定外は元総理だった鳩山友紀夫さんからの思いがけない作品応募で、その応募作品は、梅匂い島を賞でつつ桜花舞う幻の夜かファシズムの音
と、梅桜が香り舞う沖縄ひいては日本列島をファシズムの暗い夜として響いてくるという。現在の政権を元総理さえこれ程ひどくなっているという歌を寄せて来られたと報告した。
つづいて、当日出席の刊行発起人のお一人水野昌雄氏はこれまでのいろんな歌集・詞華集にもふれながら今回刊行の『平和万葉集巻四』の意義を話された。
その後当日出席の出詠歌人、梓志乃(芸術と自由)、遠役らく子(丹青)、蒔田さくら子(短歌人)、横山三樹(まひる野)各氏から戦争体験や平和への思いや短歌へのつながりなどそれぞれスピーチをいただいた。
さらに司会の呼びかけに応えて、会場から数人の積極的な発言が次々にあがった。
休憩後、協会員の有志で『平和万葉集巻四』作品からの抄出歌六〇首の構成による短歌群読をおこなった(次頁掲載)。
最後に、刊行発起人である来嶋靖生氏の「平和万葉集巻四私抄」講演がおこなわれた。
来嶋氏はまず、戦後七十年を経た現在、「きけわだつみのこえ」や「英霊」の意味さえも知らない人が増えている事実についてふれ、戦争の時代を語り継ぐ意義の今ほど大切なことを強調された上で、今回の収録歌の各章ごとに抄出された作品についてていねいに紹介、解明をされた。
かなしみは潮満つるごと身をひたす果てなき闇に落ちゆく祖国
と、その最後に自作をひき、一九四五年軍隊に入隊し戦後数年で病没した兄が新憲法施行後に「これからはいい世の中になる」と話してくれたという思いを語られ、お互いに歌を通じて戦争のない世の中をつくりましょうと結ばれた。
講演後のつどいにお寄せ戴いた出詠者の色紙、海老名香葉子、湯川れい子、歌人の刊行発起人・木村雅子、中川佐和子、長澤ちづ、平山公一、森本平、森山晴美、雁部貞夫、梓、遠役、蒔田、横山各氏らのものを抽選で参加者プレゼントされた。

 

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記念講演の来嶋靖生氏(刊行発起人)

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刊行発起人水野昌雄氏のあいさつ

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参加者へ色紙プレゼント

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新日本歌人協会有志による短歌リーディング

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賛同者のスピーチ 梓 志乃

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賛同者のスピーチ 蒔田さくら子

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賛同者のスピーチ 遠役らく子



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