■二〇一九年 全国幹事会への報告と提案
三月二十四・二十五日 常任幹事会
総会決定の実践に向け全国の活動から学ぼう
一、はじめに
昨年9月、翁長知事の死去に伴う沖縄県知事選挙で、辺野古新基地建設反対を掲げた玉城デニー氏が圧勝、今年2月、辺野古への埋め立ての賛否を問う県民投票でも反対が投票者の7割を超えるなど、沖縄県民はきっぱりと新基地ノーの意思を示しました。まさに歴史的勝利です。しかし安倍政権はこの沖縄県民の民意を無視、踏みにじり土砂投入を続けています。
その他、諸データの捏造、統計の偽造、憲法改悪に向けての飽くなき執念、さらに定例記者会見での一部記者排除など、安倍政権の強権政治、ウソと隠ぺい政治は止まるところを知らず、決して許すことが出来ません。
第53回総会では、これらの情勢と新日本歌人協会の活動の到達点に立って、以下の点を確認しました。
①危機の時代の情勢に真向かい、新日本歌人協会の初志に拠って立つ自覚を強める
②協会の継承・発展のために指導的役割りを担う人の育成を自覚的意識変革のもとに行いたい
③時代とくらしを見据えた作品創造のいっそうの発展、啄木コンクールへの積極的参加、評論・時評の重視、「合同歌集」の編纂、積極的応募を
④協会は運動体でもある自覚のもとに全支部が組織拡大を目標に据えて取組む。広範な人に新日本歌人協会を知ってもらう活動を強め、当面一〇〇〇名の回復をはかり、さらに一一〇〇名をめざす
⑤常任幹事会体制の強化
⑥協会運営保障のための会費の改定
二、総会後の活動と成果
⑴協会誌企画
協会誌の企画では特に次のものが取り組まれました。
10月号 沖縄連帯緊急詠 協会誌抄出120首、11月号 特集/今こそ憲法を 作品45人90首、ミニ「憲法随想」10人、2月号 「順三忌」特集 評論「渡辺順三の生涯と学ぶこと」碓田のぼる、エッセイ・上原章三 奈良達雄 松野さと江 3月号 3・11ー原発・災害─その後 作品とリポート。
なお、11月号の企画は安倍政権が戦争できる国づくりをめざし憲法を変えようとしていることに対し、平和憲法を守る決意を力強く発信しようと協会誌9月号で緊急募集したものでした。
⑵啄木コンクール
現在選考中ですが、応募数は73篇で昨年より激減(昨年120篇)です。これは合同歌集の作品応募と重なった側面もありますが、啄木コンクールの意義を改めて確認し、なりゆき任せではない努力が求められます。
⑶近県集会
この間、近県集会は関東(10月28日、29日)、東海(10月26日)、四国(10月27日、28日)で開かれ、参加者はそれぞれ56名、31名、56名でした。各集会とも周到に準備され、企画も新鮮でした。
⑷会員、購読者の推移と現状
昨年8月の会員・購読者は955名(会員501名、購読者454名)、今年2月は956名(498名、458名)です。この間の入会者・購読者は16名と49名ですからほぼ同じだけの退会・購読中止があったことになります。しかし近年の減少傾向を抑えられたのには、「会員・購読者になって『合同歌集』に応募しよう」との働きかけが会員によって意識的になされた結果であり、教訓的でした。
三、豊富な全国の活動経験
今回の全国幹事会は、総会決定の実践のためにこの間の全国の支部活動から学び、討論することを重視し、そのために今回は予め全支部アンケートを実施しました。(支部アンケートの設問は末尾に記載 資料1)
その結果、60支部中、未提出7支部を除く53支部から回答があり、回答率は9割近いものでした。
(Ⅰ)支部の人的構成
まず、質問の1に関しては、(協会員)対(読者+その他)の比率で、読者+その他が協会員数を上回っている支部があります。
北海道、岩手、秋田、江戸川、足立、野川、栃木、上田、愛知、岐阜、高槻、淀川、あい川、千里、京阪守口、奈良、岡山コムコム、徳島、高知、山口、北九州、福岡、鹿児島。
全体としてみると、西日本にその傾向が顕著です。とくに支部・歌会を中心に会員・購読者を増やしている支部の取り組みからは学ぶことが多くあります。
一方注意しなければならないのは都道府県組織のなかで、東京を先頭に、関東圏には協会員を一貫して増やしてきた蓄積があることです。拡がりを作り出すうえで、関東圏の支部が「遅れている」というわけではありません。この点では、関東圏の支部からは、協会員の拡大の経験や、協会員が多数となった段階で、支部活動をどのように発展させてきたかを学ぶ必要があります。
また関東圏、関西圏以外の支部活動にも注目しましょう。このことが大事なのは、県別にみるとまだ協会の支部が出来ていないか、あるいは少数でなかなか思い切った活動ができない現状があるなか、私たちの活動をどう広げていくかを考えなければならないからです。
(Ⅱ)支部の年齢構成
第2の質問は、支部の年齢構成についてです。
概観すると、圧倒的に60歳~80歳という年齢構成になっています。年齢調査は刻みを10歳にすべきだったかもしれませんが、問題は、こうした年齢構成のなか、「高齢化対策」をどうとらえるか、ということです。
率直に言えば、常任幹事会、全国幹事会、各支部に至るまで、日常的に「高齢化対策」を意識し、具体化をすすめているか、いないか、を問い返す必要があります。
これは質問項目の5~8にも関わって分析が必要ですが、高齢化が避けられない以上、何らかの対策が必要ということになります。
高齢化についての議論は、しばしば、〝若い世代など後継者の確保を〟という議論に流れがちで、現にある、協会の「高齢者化」という現実に対し、どのような対応が求められているか、ということについては十分議論が進められてこなかったのではないでしょうか。
この「高齢化」については、次の3点を強調しなければなりません。
① 高齢者人口の増加の問題
平成30年の厚生労働省社会保障・人口問題研究所発表の将来人口推計によればWHOの基準による高齢者(65歳以上)は、平成27(2015)年を起点にしてみると、2042年まで一貫して増加し続けるのです。
(http://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2017/pp29_gaiyou.pdf)
とくに戦後、昭和22年(1947年)~昭和24年(1949年)の第一次ベビーブームの世代(いわゆる「団塊の世代」)が90歳に到達する2040年前後までは一貫して増え続け、逆にいわゆる生産年齢人口や年少人口、総人口は一貫して減少し続けます。
高齢者人口は2042年のあと減少してゆきますが、構成比はなお増え続け、39%に達します。
私たちがこの増大する高齢世代に対して、どのように働きかけていくかは組織存続の成否にかかる問題と言わなければなりません。
② 高齢者短歌の可能性
高齢者の問題を重視するのは、人口の問題だけではありません。
どんなにきらびやかな言葉を使い、言い回しや目新しさ、奇抜さなど、さまざまなレトリックを駆使したとしても、結局は、作者の人生体験や生き方の等量を問いかける真摯さ、誠実さにはかないません。
その点では、高齢者は、さまざまな社会的個人的な生活体験を積み重ねてきているわけで、この層、集団が、自らの体験をもとに、短歌作品を通じて、自分たちの思いを紡ぎだすことは、この国の文化、思想の底深い、豊かな熟成を可能にするものです。
子規や啄木など若くして病に倒れた人たちの一方、窪田空穂、土屋文明など、長生の歌人たちが、晩年に至るまで、作歌を続け、平明な表現でありながら奥深い作品を残しましたし、また資料の「ふれあい短歌大会」に見られるように、百歳の短歌実作者が広範囲に存在しています。(資料2)
③ 現在の高齢者の文学的課題
現在の高齢者が生きて来た自分史と現代史を重ねてみれば、この世代を広範に迎え、短歌創造をすすめるべき積極的な意義が明らかとなります。
今年百歳を迎える人が生まれたのは大正8年(1919)。ロシア革命の2年後。小林多喜二の「一九二八年三月十五日」、「蟹工船」が書かれた年、昭和3、4年(1928、29年)に生まれた人は、91歳、92歳に当たります。
日中戦争がはじまった昭和12年(1937年)生まれは82歳、アジア太平洋戦争が始まった1941年に生まれた人は78歳になります。
団塊の世代(70~72歳)は戦後間もない時期に生まれた人達ですから、いま新日本歌人協会をささえている70代半ばから80代の方たちこそ、まさに少年期・青年期を戦争と混乱の時代に過ごしてきた世代であり、またその親の世代は、直接的な戦闘体験、空襲などの被災体験を持つ世代です。
いわば戦時体験の生き証人の世代です。
高齢者の中に民主的で真に革新的な短歌運動を広めていくことは、組織的課題でもありますが、この世代の体験、思いを短詩型文学として残し、文学遺産として次の世代に引き継ぐことは、私たちの歴史的文学的課題といわなければなりません。
(Ⅲ)歌会の問題
第3に、各支部の活動の中心にある「歌会」運営の工夫を見ていきましょう。
各地の歌会は、ほぼ月1回開催ですが、東京・野川支部は毎月、第2、第4金曜日の2回開いています。第2金曜は通常の歌会、作品批評の会です。これに対して第4金曜は「勉強会」。中身は協会誌の読後感想、『短歌創作教室』(碓田のぼる)の自由討議となっています。
野川支部のように学習会を歌会と別に開催しているのはまれで、学習会を開いている支部の多くは、歌会の日に行なっていますが、その方法は様々です。
埼玉県南支部では、歌会のなかで、偶数月は碓田のぼる氏を講師にした作品批評、奇数月は会員が自由に協会誌の中から題材を選んで学習しています。
また、奈良達雄氏の「ミニ講座」を開いている(古河支部)、「選のあとに」と『現代秀歌』を輪読している(栃木支部)、午後の歌会とは別に、午前中に永田和弘『作歌のヒント』の学習会を開いている(愛知支部)、毎月の歌会のなかで「短歌創作講座岐阜教室」(津田道明氏)を開いている、などのほか、京阪守口支部では歌会の最初の1時間を名歌鑑賞の学習時間に当てています。同支部は以前、近藤芳美、土屋文明の『短歌入門』をテキストにして学習会を行ってきました。
京阪北支部も、歌会の前の30分を学習にあてています。大阪支部も、毎月の歌会(1時~5時)のうち、3、40分を協会誌学習に充てる(担当は輪番で年間予定を決めている)ほか、万葉集学習会を継続しています。
京都支部は、歌会の後、40分ほど、交代で啄木クコンクール入選歌、「協会の歌人」(吉村キクヨ)、「選のあとに」などの学習を行っています。
「えひめ新歌人」も歌会前の40分を学習に充てています。
また杉並支部では、協会員が地域の医療生協の短歌班に参加していますが、その短歌班では「指導者がおりませんので、協会誌を先生として活用しています。活用の方法は、毎月自分の好きな歌10首選んでくることでした…歌が出来るとすぐに読者歌壇に投稿し、そこに名前と歌が載っていることが大きな喜びとなり続けています。3人で始めた短歌班でしたが、現在9人に増えて」いるという報告がアンケートにあります。
支部活動以外に、並行してこのような取り組みが行われ、参加者が増えているということは、たいへん教訓的です。
協会誌の活用は全国的にまだ十分ではありませんが、今回のアンケートでは「選のあとに」を学習しているという事例が多く寄せられています。この点では編集部とともに選歌担当者間で、一層自覚的な努力が大切です。
(Ⅳ)支部活動・歌会を豊かなものにするために
支部に新しい会員を迎えるためには、歌会の質をどう高めるか─作品の相互批評における学習的な要素や励ましも含めて、歌づくりの意欲を高めるにはどうしたらよいか─という課題をさらに考える必要があります。
話しやすさ、人間的なあたたかさ、といった問題とともに、とくに、「生活派短歌」の歴史を受け継ぎながら、さらに広い国民的な視野で民主主義短歌の創造を目指す立場から、われわれ一人一人の作品の〝読み〟や鑑賞力をどう高めるか、創作力をどう高めていくか、という問題について、これまで以上に取り組まなければなりません。
その点ではとくに〝支部ニュース〟が大切で、千葉支部や愛知支部の作品評の経験を学んでいく必要があります。
こうした支部での学習活動を豊かにし、民主的短歌の「歌学」を創造する点で、さまざまなアンソロジーなどの〝学習教材〟を準備していくことも大事になってきます。「高齢者と短歌」という事や「女性の歌」について、協会らしいテキストが工夫できると、大きな力になります。
こうしたことも、「碓田さん、水野さん、奈良さん、お願いします」ということにとどまらないで、組織的に工夫しよう、作ろう、ということが大事なのではないでしょうか。また、歌会の前後に、いろいろ工夫して、交流の時間を大切にしている支部があります。
(Ⅴ)活動の広がり
前出の杉並支部のように、支部の会員が参加しているさまざまな団体の中に短歌愛好者の集まりが組織され、活動が広がっている事例では、岐阜における「新婦人」の短歌小組への参加(笠松町、各務原市)ほか、今回のアンケートで注目されたのが、母親大会における水戸支部の取り組みです。
2017年、群馬母親大会で短歌分科会が取り組まれ、これをふまえて、昨年、茨城でも取り組まれたのですが、900名の参加者の中で、短歌分科会には37名の参加者があり、このうち、初めて短歌を作ったという人が16名でした。
この参加者の作品も資料3にありますが、ただ言葉を組み合わせたというものではない、〝作品〟となっています。
このほか、地元の歌会に参加(青森、山口)している、あるいは地域の文化祭に参加(短冊、色紙の展示など)しているといった活動が各地で継続されています。
またこうした作品発表にあたって、自筆の場合もありますが、書家の方や、書道愛好家の方たちとの協力・支援といった形で輪を広げるという活動も行われています。
また愛知では、生け花の団体と連携し、〝花を詠む〟という取り組みが行われ、生け花の団体からも、自分達の活動を見直す良い機会となったと評価されるなど、芸術・文化団体間の交流について一石を投じたものとなっています。
またさらに、北海道では支部の独自活動のほか、民主主義短歌の火を北海道で絶やさないため、超結社の「歌群短歌会」が組織され、季刊の『歌群』が発行されています。また合同歌集が10年ごとに刊行されています。結社を越えた取り組みとしては唯一のとりくみです。
高知では、高知県歌人連盟に支部員の13名が加入し、「半数ほどが副会長はじめ役員」となって活動し、県の短歌大会にも積極的に応募し、入選を果たしています。
このほか、別の同人誌に投稿し、作品と共に支部活動も紹介されています。
短歌作品を発表する場として「新日本歌人」誌以外で、アンケートに記載された団体等を挙げます。
朝日、毎日、赤旗など全国紙の新聞歌壇、地元紙の歌壇、地方政治新聞(民報)、「民主文学」、年金者組合新聞、新婦人新聞、医療生協ニュース、健康友の会ニュース、九条の会ニュース、革新懇ニュース、後援会ニュースなど。
こうした取り組みも視野に入れておきましょう。
(Ⅵ)短歌運動における平和の問題
近現代短歌史のなかで、短歌が社会的に果たしてきた役割をふまえて、戦争と平和、「いのち」の問題に関しては、現代短歌が果たさなければならない独自の役割があり、各地で創造的な活動が展開されています。九条の会、公民館活動、戦争展・平和展などの機会の活用が活発に行われています。
全国幹事会ではこうした活動資料も展示し、交流します。作品を見ながら、どのようにして、より広範な人々のなかに短歌を広めていくか、可能性を広げましょう。
いま九条改憲を目指して、地域の活動を強化して、世論誘導を強めようとしている勢力が活動を強化していますから、民主団体、文化団体と地域でどのように共同を探求していくか、という課題は、とても重要です。現在、全国的な「歌人九条の会」(実質的には東京が中心)のほか、高知、神奈川でも組織され活動していますが、さらに各地で他団体に働きかけて、噛み合った運動の広がりが求められています。
四、今後の課題
1、啄木祭の開催
啄木祭は東京が5月12日、三郷が4月13日、静岡が4月 27日に予定されています。東京での啄木祭では啄木コンクール入賞者の表彰も行われます。今後、さらに各地での開催が望まれます。
2、「合同歌集」の発行
6月の発行をめどに進めています。寄せられた作品から学ぶとともに、普及にも努めましょう。
3、夏のセミナーの準備
8月末の予定で準備を進めます。
4、会費の改定
4月からの改定に向けて準備を進めます。なお、コンピュータ上での会費(購読費)額切り替えは4月1日付をもって行う関係上、3月に発送する4月号の封筒ラベルの入金状況はこれまでの額が表示されます。ご了解下さい。
なお、会費改定の提案以後にも、本誌郵送のゆうメール料金、用紙の一律10%値上げ、郵便振込手数料の一件70円アップなど値上げが相次いでいます。引き続き経費の節減に努めていきます。
5、憲法9条を守る歌人連絡会
憲法の危機の進行のもと運動の継続、発展は欠かせません。中心的一翼を担って役割を発揮していきます。
以上
【資料1 支部アンケート設問(期日2019年1月10日)】
1、あなたの支部(歌会)は会員、読者、その他、それぞれ何人ですか。
*会員 人 *読者 人 *その他 人
2、その年齢構成はどのようになっていますか。
*60歳以下 人 *60~80歳 人 *80歳以上 人
3、歌会は定期的に開かれていますか。
*開かれている *開かれていない
*開いている場合は参加状況と開き方の特徴、開いていない場合はその理由は。
4、会員、読者の中で協会誌に作品を投稿(年間)している人は何人いますか。
*投稿している 人
*投稿していないの人の理由がわかりましたらお書き下さい
5、歌会の中で「新日本歌人誌」はどのように活用されていますか。
*活用している(具体的にお書き下さい)
6、会員、読者の拡大で成果(この1年)がありましたか。
*成果あり(具体的に経験をお聞かせ下さい)
7、退会もしくは購読中止の方がいましたか。
*いました (理由がわかりましたらお書き下さい)
8、歌会の他に支部の活動の内容、特徴などを教えてください
*「合同歌集」の発行、学習会、文学散歩、年金者組合・新婦人・地方(地域)新聞等への投稿など。
【資料2 平成30年度「ふれあい短歌大会」】
〔最優秀賞〕
百歳の母とふたりで車椅子なさけないのか幸せなのか
村方シヅ子(84歳 宮崎県)
〔優秀賞〕
人生ってこんなものだと今朝思う生きるも死ぬもどちらも希望
五木田恵子(94歳 千葉県)
丸三年「ベッド」に伏せる吾が妻に添ひて寝たしと思ふことあり
平澤 英一(95歳 新潟県)
施設にて自分が二人居る様な動きが鈍く別人の様な
樋本 晏宏(79歳 長野県)
【資料3 2018年茨城県母親大会短歌分科会作品抄】
健康と自衛のために耕して友の作りし野菜の旨さ
今朝もまた起こしにきたよ我が猫は一緒に暮らして二十一年
はじめての短歌体験とまどう我 知恵をしぼりて一首詠むなり
双手あげ走りくる孫キャッチする立ち止まらない夢の直球
母ちゃんと相合傘の軽トラで飛ばして来たぜ母親大会
千人の戦争法の渦にいる杖をたよりの八十四歳